研究所設立当初から、賃金調査や家計調査をはじめ、労働組合とともに数々の共同調査や研究プロジェクトを実施し、労働調査運動を牽引してきました。扱ってきた領域は、労働経済、国際関係、環境と資源、都市と文化システム、福祉問題、仕事と組織、産業と経営、政治など多岐にわたります。
現在、社会心理や労働政治といった新しい研究事業部が事業を展開するようになり、本事業部ではこれまでの伝統を受け継ぎながら、領域や事業内容を再構築中です。
第42回共同調査海外ワーク・モティベーション調査(DURIAN)
日系企業の発展と現地従業員の働きがい向上を目指し、海外に展開する企業を対象に、「第42回共同調査 海外ワーク・モティベーション調査(DURIAN)」を手掛けてきました。2005年に、マレーシアを皮切りに開始された同調査は、その後、シンガポール、タイ、インドネシア、中国、ベトナム、フィリピンへと対象を広げてきました(~2018年)。本事業は、イエウリグループへと移管し、継続しています。
「労使コミュニケーションの深化を求めて」研究プロジェクト(2014年~2016年)
主査 菊池 光造
労働組合が存在感を持ち、かつ社会の共感を得ながら、正規・非正規を問わず「働く者」の要求・希望を実現するための、対経営活動の活性化を目指した研究プロジェクトです。
「日本型企業統治」研究プロジェクト(2003年~2004年)
主査 本山 美彦
アメリカ型とも旧来の日本型とも異なる、新しい「日本型」の企業のあり方を考えてみようという取り組み。研究成果は、本山美彦著『ESOP:株価資本主義の克服』(シュプリンガー・フェアラーク東京、2003年)にまとめられています。
社会構成主義の立場で、社会心理学の理論や知見を労働の分野に応用しながら、労働調査運動を担ってきました。心理学的メカニズムを通じて現実がどのように社会的に構成されるのかという過程を明らかにするという研究分野の性格を活かし、社会や会社・職場のあり方、運動の展開過程などにアプローチし、課題解決につなげています。
政治政策分野を中心に、共同調査(政治意識調査、第58回共同調査)を柱として事業を展開しています。労働組合の政治活動や政策立案はもちろんのこと、働くすべての人びとのアドボカシーに資する調査研究を目指し、各種の調査研究や勉強会などを企画・運営しています。
政治意識調査
主要な国政選挙の際に実施し、投票行動、政治や社会に対する意識、働きかけなどの政治活動の取り組み等を分析します。また、選挙をきっかけに生活や政治にたいする組合員の声を集約し、すべての働く者のアドボカシーをめざす運動へとつなげていくことを目指します。
第58回共同調査 コミュニティ・ウェルビーイングの向上とアドボカシー
政策立案やアドボカシー活動(課題の可視化や啓発)を通じて地域コミュニティの課題解決を目指す運動を、社会調査によって駆動する取り組みです。未組織労働者をふくむ一般市民の声をすくい上げるなど、ソーシャルな観点からの運動の展開を支援・推進します。
第58回共同調査