この職に就いて、恐ろしいことに四半世紀が過ぎようとしているが、「私の仕事は〇〇です」とうまく説明できない。「労働組合がもっと存在感を発揮して元気になってほしい」「一人ひとりの組合員に、自分の仕事や会社を好きになってもらいたい」という気持ちで、組合に共同調査を提案し、調査結果をフィードバックし、それをもとにアクションを起こしてもらうサポートをする――。こんなに文字数を使っても、職務内容を正しく説明できているのか、はなはだ怪しい。
組合役員の方々は「(組合員に回答してもらった)調査は自分たちの成績表だから、結果を見るのが怖い」とおっしゃるが、私だって負けないぐらい結果を見るのは怖い。自分が意味のある仕事ができているのかどうか、思い知らされる瞬間だからだ。でも、お互いそこで落ち込んでいては始まらない。担当した組合(正確には、その組合のある企業)のビールを飲みながら、担当した組合(同上)の製造したテレビで、担当した組合(同上)のスポーツチームを応援し、「よし、また頑張ろう」と思って眠りにつく。
だから時々、「調査の後に、こんな取り組みを始めてみた」とか「調査結果を経営に伝えたら、きちんと受け止めてくれた」というお話を伺うとたまらなくうれしい。とりわけ非専従の役員の方ばかりの組織で頑張っておられるのは、本当に頭が下がる。ああ、やはりもうしばらくこの仕事を続けたい――。願わくば、組合役員が主人公のかっこいいドラマかコミックに出会うまでは、辞められないなと思う。
主査研究員 玉置 千歳