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所員コラム 私は天秤座の女 (鈴木 文子)

「本日の星座占い第1位は天秤座!」決して占いを妄信しているわけではないが、こんな朝は少し気分がいい。私は日々暮らす中でバランスを取りたがる。そういうところは“天秤”座っぽいなと思う。


仲の良い友達や気の合う人と一緒にいるのはとても楽しい。話が合うし、私の言葉や考え方を面白がってくれる。自分が肯定されているように感じる。けど、そうした環境ばかりに身を置くと、“自分の考えは正しいんだ”と勘違いしてしまうのではないか、浮かれて周りが見えなくなるのではないかと不安になる。なので私は、仲良くない、気の合わない人とも機会があれば飲みに行くようにしている。そうした人と話をすると、思っていたような反応が返ってこなかったり、大して興味を持ってもらえず話題が変わってしまったり、“私ってすごいかも”と浮かれ気味だった自分を落ち着かせることができる。


今の私は、この研究所の研究員、大学の非常勤講師、研究プロジェクトのメンバー、社会運動のボランティア、友人らとのイベント主催者…といったようにいろいろなことに関わらせてもらっている。労働組合の人たちと話すときには自分の世間知らずを思い知り、研究者と話すときには自分の知識のなさに情けなくなり、バリバリの運動家の前では怖気づいてしまう。どこに行っても、自分のしたいこととできることのアンバランスさに振り回されている。


ただ、立場はいろいろだけれど、そのどの場面でも、ダイバーシティ、フェミニズム、セクシュアリティ、偏見や差別、“誰もが生きやすい社会”って何なんだろう、ということを考えているように思う。いつか平等や公平について、私の立場だからこそできることをやっていきたいなとも思っている。そんなことを夢に見ている私はやっぱり“天秤”座っぽい。

研究員 鈴木 文子

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