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所員コラム 女性のキャリア (白井 桃子)

私は就職氷河期世代。まっすぐキャリアを築くことが難しかった人が多かったと思います。私も転職やワンオペ育児や介護も経験し、ライフイベントにぶつかる度に家庭とのバランスや生き方を修正せざるを得なく、仕事も諦めかけ一時的に中断したこともあります。女性は職業上のキャリアをイメージすることすら難しいんだなと感じてきました。その経験からキャリアコンサルタントの資格を取り「生きがいや働きがい」に寄り添う側になりたいと、自分のキャリアを中長期に考え、やっと両足をつけられるようになりました。


男性とは「キャリア」に含まれる内容が違うのかしら? 同年代の彼女達は、非正規の勤めであっても広義(仕事以外の人生の役割を含めたトータルな捉え方)のキャリアは築いています。外で有償労働しているとできない(見えない)無償労働にも従事し、社会や日々の生活も支えている。価値ある労働なのに見え辛い。無償労働には評価もなく達成目標も曖昧、共有メンバーも少ない。楽かと思いきや、多方面での技術力とそのマルチタスクが必要だし、0歳~老年相手に、場合によっては非言語コミュニケーションもアンガーマネジメントも必要。そして意外と孤独。目標に向かって論理的に仲間と構築できる仕事より、ある意味難しいかも?


キャリア系のセミナーは女性の参加者が多いと組合で伺います。そう。女性の「キャリア」は有償労働と無償労働の両方のキャリアを見据えないとイメージできないのです。その両方で想定される事と対処法をできる限り具体的に知り、段取りしておきたい。となると、両方経験した女性の先輩しか相談しても答えてもらえない現実。


最近は、家事育児介護の無償労働をする男性が増えてきました。有償か無償かを問わず、働く全ての人が互いの「労働」を認め合い協働できると、新たなアイデアや選択肢も生まれ、相談できる相手も増え、女性も男性もキャリアを描きやすくなるのでは?

オルグ 白井 桃子

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