本誌では、例年4月号において、「産別トップに聞く 運動・産業を取り巻く現状と今後の展望」を企画しており、主要産別組織の会長、委員長の方々に同一テーマで寄稿していただいている。先行きの見通しづらい状況が続く中、各産業を取り巻く状況や、産別組織としての課題認識や展望等について広く発信することで、働く人々が今後を展望し得る一歩につなげたいという意図で企画している。また、主要産別組織をまとめて紹介することにより、 個別の産業だけではなく、さまざまな産業から、かつ労働者の視点によって、日本全体の課題や展望を見出すことが可能になると考えられる。さまざまな産業が誌面で結集するということも、大きな意義があるといえるだろう。
寄稿いただいた方は、UAゼンセン・松浦昭彦会長、自動車総連・金子晃浩会長、自治労・川本淳中央執行委員長、電機連合・神保政史中央執行委員長、JAM・安河内賢弘会長、基幹労連・神田健一中央執行委員長、JP労組・石川幸德中央執行委員長、生保労連・松岡衛中央執行委員長、電力総連・坂田幸治会長、情報労連・安藤京一中央執行委員長※、運輸労連・難波淳介中央執行委員長、JEC連合・酒向清会長、フード連合・伊藤敏行会長、損保労連・境田道正中央執行委員長である(組織規模順)。※毎年、インタビューも行っており、今年は情報労連にインタビューさせていただいている。
テーマは、以下の3点であり、すべての産別組織に共通のテーマとしている。
1. コロナ禍における労働運動
・コロナ禍が貴組織や産業に与える影響や課題
・コロナ禍において前進した取り組みや展望 など
2. SDGs に関する取り組み
・運動方針等にSDGs をどのように位置づけているか
・実践するにあたっての課題、今後の位置づけや取り組み方の展望 など
3. 今後の運動の展望
・中長期的な運動方針において、特に重要と考える点や課題は何か。
2019年末以降、世界中で拡大した新型コロナウイルス感染症は、私たちの働き方や生活全般を大きく変え、労働運動のあり方にも強く影響を与えている。ウィズ・ポストコロナの運動の方向性や展望を発信していくことは引き続き重要といえ、昨年から継続してテーマの一つとした。SDGs(持続可能な開発目標)については、世界の大きな潮流であることに加え、日本の労働運動においても、連合が運動方針に掲げるなど、今後、労働組合がそのアクターとしてよりかかわりを深めていくことになると思われるため、今回初めてテーマとして取り上げることとした。
本企画にご協力いただいた皆様に、感謝申し上げます。