研究プロジェクト・ワークショップ

労働政治研究事業

組合員政治意識総合調査の概要

なぜ、労働組合は政治活動を行うのでしょうか?
その大きな理由は、「一人では解決できない課題をみんなで解決する」ということにあるといえます。
課題は身近なところにも沢山あり、組合員やその家族の生活全般が政治活動の対象になり得ます。
したがって、労働組合が政治活動を行うのは当たり前であり、本来は政治に無関係な人はいないはずです。

まずは、組合員が自身の周りの課題を他人任せにせず、解決しようとする意識を育て、組合として集約し、解決へと結び付けていくことが大切だといえます。このことは、組合員やその家族だけのためではなく、よりよい社会にもつながる取り組みです。

しかし現状は、動員型・選挙前だけの活動になってしまっていることが多く、一般組合員を巻き込んだ活動になっていない実態もみられます。労働組合の政治活動を強化するためには、日常的な組合活動こそ重要であり、日常的な組合活動を通じて、選挙を含む政治活動を可能とする基盤作りを行うことが必要です。

これまでの調査結果からも、政治活動に日常的な組合活動への関与意識が重要であることが示唆されています。
組合関与が低い層では、労働組合からの働きかけへの共感・納得感が低く、候補者に投票した組合員の割合も低くなっています。組合関与が低いままでは、運動としての広がりがないことに加え、一般組合員も、組合役員でさえも疲弊することにつながりかねません。

さらに、ほぼ毎年、国政選挙や重要な地方選挙が行われる中、いかに政治活動を持続可能なものにしていくか、ということが今後ますます問われるでしょう。 このような背景・問題意識から、「持続可能な政治活動」をコンセプトとして、調査研究を進めています。

<調査の特徴>
・アクションにつながる設計・分析
調査はその後のアクションが重要です。 選挙総括のための調査ではなく、今後の政治活動をどう展開していくのかを考える上で有用な資料となり得る分析を行います。

・専門家との連携
ご希望に応じて、ネットワーク研究者や研究員が政治活動のフォローを行うことも可能です。 

・大規模な共同調査
共同調査の参加組織は共通の設問に回答します。 全体データ(共同調査データ)と自組織を比較することができ、傾向の把握に役立ちます。

・運動を志向したプロジェクト
自分の身の回りに目を向け、社会や政治に参加する―― そのような一人ひとりの意識の醸成を志向する、運動的プロジェクトを志向しています。労働組合が共同で参加するからこそ、可能になる取り組みです。

一覧へ戻る